※この記事は2019/12/14に開かれる第2回技術書同人誌博覧会で頒布する新刊『Mastodonから始めるFediverse探訪』の一つのトピックです。同様の内容あるいは少し改善された内容が新刊にも記載されます。ぜひとも新刊を買っていただけると嬉しいです。第2回技書博・コミケC97で頒布予定ですのでよろしくお願いします。C97終わり次第BOOTHで通販開始します。


さて、Mastodonから始めるにはユーザー登録をしなければなりません。しかし、Mastodonが全部自由に登録できるわけではなく、先程の「スパムアカウント」との戦いが発生するため、千客万来を志してサーバー新規登録した結果スパムアカウントにやられ、やむなく招待制にするか、登録させるのを締めるケースもあります。これらのようなサーバーはかなり存在しています。スパムだけでなく、サーバー資源(CPU、メモリなどのネットインフラ)が弱い場合も、招くことは厳しいでしょう。一説によると、サーバーにアクティブユーザーを抱えて行くことによりローカルタイムラインのオーダーが指数関数的に増えていくという考察がありました。 https://mstdn.maud.io/@nullkal/103096781993999626

つまるところ、一箇所に多くのユーザーを抱えるためには知識と金がいるのです。

そこで、かなり長いこと運営がされてきて、「クローズドになっていない」サーバーと、そこから生まれている話題を肌感覚で解説していきます。ここで上げるサーバーは僕個人として登録をおすすめできるサーバーでもあります。登録状況も掲載していますので、参考にしてください。

気になったサーバーが出たら、ローカルタイムラインを覗いてみましょう(覗けるかはサーバー次第)。雰囲気良さそうだな、合ってるなと思ったら飛び込んでみて下さい。

登録をおすすめするサーバーとは別に、逆に登録を控えたほうがいいかも知れないサーバーも挙げます。長くトラブルを抱えているサーバーももちろんFediverseにあちこちに存在しているためです。特に不具合は上がってないが、明らかにソフトランディングであるサーバーも上げます。つい最近にソフトランディング状態であったサーバーが事業譲渡されてやっぱりなって思いましたね!ハハ!

また、2017年の記事で「サーバーリスト」なんてものがあちらこちらのブログで生まれて、現在も検索1ページに現れてきます。が、分散型SNSの特徴的な要素として「サービス終了」がわりとすぐに来たりすることがあります。長期的に運用されているサーバーも、何かのきっかけですぐたたむことは稀ではないのです。人気があり多く利用されていたもののサービス終了されたサーバー、「なんで閉じたんや」なサーバーも紹介いたします。

つよいサーバー

僕の言う「つよいサーバー」という概念には、「とっても住みやすい」「絶対に落ちない」「永遠に安心である」という意味合いは含まれてません。しかし、僕としてはきっとこれからも長くやっていくのだろうという推測と、それを裏付ける技術力と人徳がある、ナイスなサーバーを3つ紹介させていただきます。

mastodon.social(flagship server)

https://mastodon.social/about

Mastodonリードエンジニア、Eugen Rochkoさんのお膝元のサーバーです。開発者、そしてプロダクトの意思決定者のお膝元故に安定性は群を抜いています。当たり前ですが最新版への追従も怠りません。

ただし、Eugenさんはドイツ人で、ユーザーも多国籍であることは注意しましょう。つまり日本人ユーザーにこのサーバー内で出会えるかというと、ちと微妙です。主に日本人ユーザーについてローカルタイムラインからソーシャルグラフ(ざっくり言えばネット上の知り合いのつながり)を広げていくのは厳しいように感じるので、リモートサーバーの鯖缶を筆頭にフォローして、徐々に知り合いを広げていくやり方が良いでしょう。

末代 mstdn.maud.io

https://mstdn.maud.io/about/

「末代」というコミュニティが元になって立ち上がったサーバーです。詳しいことは詳細情報をご参照ください。https://mstdn.maud.io/about/more

広い意味でのデジタル方面に関心があるユーザーが集まっており、日々ガジェットやらゲームやら同人音声作品などの話が交わされており、活気にあふれております。サーバー自体もかなり初期、Mastodonブームが起こる前から立ち上がっていたので(サーバートラブルで一回潰れた記憶)、ロングランサーバーのひとつです。

個人的にですが、管理人のほたさんがコミュニティ運営感覚のバランスが優れているなと感じていて、管理者の人徳もあってか一般参加ユーザーもいい人がとても多いように感じております。

これは単に僕が末代的センスに共感しているだけかもしれませんが、とにかく僕としてはお勧めできます。ホームタイムラインを駆使して、ブーストやふぁぼなどでやり取りをすることが、一般ユーザーにも行き渡っている感じがあります。

べスフレ best-friends.chat

https://best-friends.chat/about

「べスフレ」という愛称で親しまれています。日本サーバーの中ではタイムラインの流速がかなり速い部類のサーバーです。つまり、活気があります。そして、サーバーの文化としては「ローカルタイムライン上でのチャット」を推しております。チャットを推すことはドメインの「.chat」にも表されております。使用感としては、(書かれているように使うならば)連合している通話機能なしdiscordみたいなイメージです。

もともとfriends.nico(二コフレ、フレニコ)というMastodonサーバー兼ニコニコ動画コミュニティだったものが企業運営から個人運営に変わりました。運営の中の人は変わっていませんが、Mastodonを動かすサーバー構成や独自実装が控えめになるなどの差は出ております。

先ほどサーバーにアクティブユーザーを抱えて行くことによりローカルタイムラインのオーダーが指数関数的に増えていくという考察について言及しましたが、二コフレ~べスフレは「ローカルタイムラインをチャット的に酷使する」サーバーです。つまり負荷がヤバイ。そんな中、ITインフラを構築する力を大いに駆使して、かつ個人運営でも(寄付は貰いつつも)動かせるようになっているのは相当につよいサーバーです。

つよいサーバーを動かすには金額が馬鹿になりませんが、そのへんについてはユーザーから寄付を募っており、寄付を元手にして動かしているようです。しっかり仕組みができているというのがとても好印象です。https://www.patreon.com/best_friends

ユーザー層としては「ニコニコ動画」が中心だと思うのですが、ニコニコ動画のコンテンツについて語り合われているような様子は自分のタイムライン上においては少なくなっているように感じます。

また、Fediverse上でのサーバーの諸行無常においてユーザーが動いて引っ越し先として選ばれるため(おそらく「日本三大インスタンス」と呼ばれていたころの名残でしょう)、「未収載にしてローカルタイムラインに無関係な話題を突っ込まないよう気を使いながら、優秀なインフラを享受してホームタイムラインでコミュニケーションする」という動きも出てきています。

この動き自体はべスフレに限ったことではなく、近頃の日本語圏サーバーでしばしば起きています。脱中央集権という意味での分散ではなく、リスクマネジメント的な分散が徐々に浸透してきたといえるでしょう。

ちなみにいろいろ書いてきたのですが、現在べスフレは招待制をとっています(2019/11/10現在)。ここに入りたいと感じたのであれば、知り合いが先にべスフレに潜り込んでいるかを調査したほうが良いでしょう。あるいはサーバー管理人であるハト(@rosylilly)さん・まさらっき(@masarakki)さんに別SNSなどから連絡をとって参加するのも良いでしょう。

おすすめ小~中規模汎用サーバー

大規模サーバーの次は、小~中規模の汎用サーバーを6つご紹介いたします。規模については主観が結構入ってます。

特にさまざまな実地調査をした結果ここがおすすめです!というわけではないのですが、僕がFediverse上でサーバー管理者とやり取りしていたうえで、サーバー管理とコミュニティ運営のバランスが良いと感じたサーバーたちです。こういった「バランスの良いサーバー」というのはもっとFediverse上にたくさんあると思ってて、自分がなかなか見つけられておらず、自分自身ですらなかなか歯がゆい思いがあります(=ユーザーディスカバリー手段の不足)。


Column:小~中規模サーバーの魅力の一つ「連合タイムライン」

僕のブログで「インターネット蟹工船に乗って楽しかったこと」という記事を書きました。ここに小~中規模サーバーに所属することの魅力について詰め込みました。苦い経験もしましたが。小~中規模サーバーに所属する大きな魅力の一つとして「連合タイムライン」があることを、ここでもお話いたします。

Mastodonには4種類のタイムラインがあります。・ホームタイムライン(Home TimeLine)・ローカルタイムライン(Local TimeLine)・連合タイムライン(Federation TimeLine)・リスト(List)

HTL、ListについてはTwitterをやっていればピンときますし、LTLについては名は体を表しているので別の項で詳しく説明させていただくとしまして、FTLについてはいまいちその正体がわかりづらいと思います。僕もMastodonに来た当初は難解なものの一つでした。

マストドン日本語ウィキより「連合タイムライン」を引用します。[1]

連合タイムラインには自分の所属インスタンスに関わりのあるインスタンスのユーザーのトゥートが表示される。 具体的には自分の所属しているインスタンスのユーザー、そのユーザーがフォローしている他のインスタンスのユーザー、 及びそのトゥートへの返信かブーストをした相手ユーザーによるトゥートが表示される[2]。

また、インスタンスに接続されているユーザーのトゥートではなくても、ブーストがされた場合はタイムラインに流れる。上記の仕様から、すべてのマストドンユーザーのトゥートが表示されるわけではないので注意が必要である。

また、正規表現により表示トゥートにフィルターを掛けることが可能である。

[1] https://ja.mstdn.wiki/index.php?title=%E9%80%A3%E5%90%88%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3&oldid=11898

[2] https://www.dream-seed.com/weblog/note/mastodon-my-instance

僕としてはさらにざっくりとまとめて、「所属サーバー内でコミュニケーションをとられている投稿が流れてくる」と解釈しました。

原理についてざっくりと分かったところで、なぜ小~中規模サーバーの連合タイムライン(以降FTLと呼称)は魅力足り得るのでしょうか?

大規模サーバー(例:mastodon.social, mstdn.jp, pawoo.net)FTLはすさまじく速いです。昼休憩時や仕事終わりのFTLは文字通り「目で追えない」状態になっているかもしれません。速すぎてリアクションをとるのも厳しいです。

一方、これは僕がnere9サーバーに入りたての時、新しくフォローを増やしたいことに執心していた時期があり、FTLを覗いていたところ、大規模サーバーでは見ることができなかった、ゆったりで、色彩豊かなFTLがそこにありました。nere9のユーザーは人間特有の泥臭さを感じさせる投稿が多くて、僕はそこがとかく気に入っておりました。そのような方々がつながるアカウント・サーバーも同様に人間臭い投稿をする率が上がるわけで、ここから僕の性格に近い、あるいは単純に面白い投稿がデフォルトに近い頻度でされるようなリモートサーバーのユーザーをフォローしていきました。

結果、今の僕のソーシャルグラフは豊かなものになりました。何気なくフォローしてたら人数が1000人を超え、フォロワーは600人に迫っております。リアクションも多くいただけるようになり、Twitterのようにバズるようなことはないまでも、お互いに良いコミュニケーションができているなぁという「相互作用(Interaction)」が得られるようになっていて、とても楽しい分散SNS生活を営んでおります。

いや別にこれ怪しい広告ではないですよ(そもそもMastodonは営利に全く向いていない)(企業運営サーバーが近年ボロボロになっててやばい)


それではサーバーを紹介していきます。

インターネット蟹工船 mstdn.nere9.help

https://mstdn.nere9.help/about

僕がMastodonをやり始めてから第2のサーバーとして選んだのがこのnere9サーバーです。これも末代と似たような感じで、インターネット蟹工船というコミュニティが発祥のようです。詳しくはこちらを読んでみてください。 https://nere9.help/

サーバーについてはコラムに書いた通り、いいところです。ユーザーが主にHTLを駆使していたのでLTLが使い物にならないことが多々ありました。今もそうだろうか?だけども、逆にそれがいいところだと思います。僕の所持するおひとりさまサーバーが落ちた場合の避難先として、今も使用しております。

ビアさば mstdn.beer

https://mstdn.beer/about

“Beer Server” … ンッンー洒落た名前だ。 「酒の肴に雑談」という感じがあり、翻って汎用サーバーとなっている印象があります。サーバー管理者のestplsさんはやはり運用と運営のバランスの良い人です。というか基本的にここで紹介する人はサーバー管理とコミュニティ運営のバランスが良いです。

アクティブ数はそこそこな印象ですが、どうもLTLを見ると流速が遅いという話があり、未収載をメインに使っているユーザーが多いようです。あ、未収載というのはLTLとFTLに載らないような投稿を言います。

僕はびあさば同士のブースト投稿をもとにしてびあさば向けのソーシャルグラフを広げていきましたけれども、基本的にいい人が多く感じます。別にMastodon利用者がいい人揃いってわけじゃなくて、サーバー自体でユーザーの質ってのが結構違うんですよね。年齢層とか、趣味の一致とかで抱えるユーザーの質ってのが変わってくるのでしょうか?

fedibird fedibird.com

https://fedibird.com/about

もともとDTPをテーマとするサーバー dtp-mstdn.jp を運営していて、そこからFediverseへの関心があふれ出た結果生み出されたサーバーです。サーバー運営者は「のえる」さんです。 https://fedibird.com/@noellabo

のえるさんは日本語圏のFediverse事情をつぶさに観察して考察を投稿していて、注目すべきユーザーとして名高いと僕は考えております。ぜひフォローしてみましょう。

サーバー自体の解説は固定された投稿から確認できます。・ https://fedibird.com/@noellabo/102932177393394834https://fedibird.com/@noellabo/102636234320913900

趣旨としては、

LTLのないFediverse志向の汎用Mastodonサーバです。

Fediverse技術の実験場でもあり、最新のMastodon本体の機能や、独自仕様の提案・実験の場ともなっています。

HTL運用、リスト運用、ハッシュタグ運用に向いている他、予備アカウント置き場、テストにも向いていると思います。

https://fedibird.com/@noellabo/102636234320913900

とのことです。説明の通りかなり独自の実装が施されていて、LTLがないというのがかなり重要な変更になっております。そのため、コラムで紹介した記事の事例のようなLTLを起因にしたゴタゴタが起きにくいというかほぼ起きないような設計になっていて、とてもいいサーバーです。

ソーシャルグラフ形成が一つ面倒くさく感じるかもしれませんが、その辺についても考えられており、ハッシュタグ #fedibird を付けることによって気づいてもらえたり、逆にハッシュタグで投稿を探してフォローを仕掛けることも可能です。 https://fedibird.com/@info/103017099121243204

Mastodonは検索を意図的に弱めているため、こうしたハッシュタグの利用はかなり重要です。そのチュートリアルとしても使えるかもしれません。書いてて思いつきましたけど。

おらん oransns.com

https://oransns.com/about

僕が第二の所属サーバーを選ぶときに突飛なサーバー説明が飛び込んできて驚愕した覚えがあります。

https://oransns.com/about/more

Google+からやってきたが誰もおらんインスタンス。botが蔓延っており、LTLの投稿は全てbotによるものだと言われている ── 人間だけがいないインスタンス、おらんSNS。

こわい。ここでどういったロールをすればいいんだーってなってたのですが、管理人のなちかさんは案外普通でびっくりしました。ここで紹介しているということなのでそういうわけですね。

僕はあまりおらんのユーザーをフォローできてないので全体的な感覚を掴めていないですが、汎用サーバーとしての話題感が満ちていると思いますので、いいと思います。

らぶ mstdn.love

https://mstdn.love/about

https://mstdn.love/@animarl/103012331094411208

管理人は

月10k以上コストかかってるけど趣味でやってるのであんまり気にしていない()

と言い放っているので強い安心感があります。わりと定期的にこの発言が出ます。愛があるわね。https://mstdn.love/@animarl/103116978641591538

mstdn.jpのユーザーの避難先として選ばれている印象がありましたが意外とコンパクトなユーザー数をしていました。小規模なのは良いと思います。

あとは、なんといっても管理人自体がヘビーユーザーというのがいいですね。「管理人がヘビーユーザー」というのはサーバー選別において重要です。ここに上げていないサーバーに入ろうと思っている人は、この点を覚えておきましょう。

kirishima.cloud

https://kirishima.cloud/about

このサーバーを解説しているWikiをみるとわかるのですが、独自実装が多く実装されており、それに必死になりながら追従を重ねて無事今も最新追従(執筆当時v3.0.1)をキープしているぶっ飛んだサーバーです。独自実装を重ねると、本家Mastodonとのプログラムの競合(コンフリクトと呼ばれます)が発生し、更新が大変になるのですが、2017年10月当時からずっとそれに負けずに2年運用しているのは本当にすごいことです。あまりサーバーが落ちたような報告も聞いておらず、アクティブも多めの、優秀なサーバーといえると思います。

なんか文字が動いたりするのを眺めたい人や独自絵文字をたくさん使いたかったり多機能を望む人には向いているかもしれません。

テーマサーバー

汎用という言葉が出たら、もちろん相反する概念があります。それが、「テーマサーバー」です。実態が本当に即しているかはともかくとして、「〇〇について話し合いましょう!」といったことを上げていたり、サーバーの名前にそのままテーマとなる作品が入っていたりというところがあり、そういったサーバーは「テーマサーバー」と呼ばれています。

テーマサーバーは見えるところにドドンと「集まる目的」が書いてあるので参加しやすいように思いますが、本当にそのサーバーでテーマに沿ってトークが交わされているかどうかは不定です。

実はテーマに沿って話題を展開する流れがあるとそのテーマに沿わない話題を出しづらくなっていきますので、自由度と戦うのがテーマサーバーの常であるように感じます。これから上げるサーバーについてはガッツリとLTLを使ってまさにテーマサーバーとして動いていたり、むしろ管理人からしてテーマに沿わないように動いていたりとさまざまです。本当に面白い。

これは決して「テーマに沿ってないサーバーは紛らわしくて悪いサーバー」みたいなことを言うわけではないですし、個人的には「話してることはテーマサーバーっぽくないけどなんか近しい雰囲気のある人々がいるなあ」ってのが住みやすいんじゃないかとすら思っています。逆に、「テーマに充ちたタイムラインが欲しいんだ!」って人もいると思います。こればかりは人それぞれ。なので・・・

いいからアカウントを作るのです!飛び込んで投稿してリアクションされてを味わえ!

僕の脳裏に強く残っているサーバーについてコメント付きで解説します。基本的に2017年からやっている、息が長いサーバーたちです。面構えが違います。

ボカロ丼 vocalodon.net

https://vocalodon.net/about

LTLの使用が盛んで、サーバー内で「ボカロ丼コンピレーションアルバム」を作り、売り上げをサーバー代に充てるという、ボーカロイドのコミュニティサーバーとしての一面と、アーティストの活動のサポートといった一面もあり、「テーマサーバーの代表格」と言っても過言ではないサーバーです。流速も速くて、管理人のtomoki++さんは売り上げの回収のために即売会にガンガン出展したり商談にボカロ丼を混ぜこむといったことをやる(本人談)お方であり、サーバー運営にとても熱を持っている人です。

LTLについての話はしばしばFediverseで話題になります(僕もよく話題にします)が、ボカロ丼ほど振り切った運用をしたほうが、テーマサーバーとしてのカラーが引き立ってよいと感じております。「このウェーブに乗ってみてえなあ」という気持ちになるんじゃないかと思います。僕はLTLに対して批判的であるので、本心からそうとは言えませんけれども。

s.m.h.n(social.mikutter.hachune.net)

https://social.mikutter.hachune.net/about

mikutterというTwitterサードパーティーアプリがあります。mikutterリードエンジニアがTwitter凍結されたことをきっかけ立ったのがs.m.h.nです。某ガジェット系ブログとこの略称は関係ありません。集まっている人はmikutterにゆかりがある(結月ゆかりとかけています)人たちですが、話している内容については決まっておらず、汎用サーバーと似た感じがあります。

切れ味鋭いコメントを小気味よくポンポン飛ばす人たちが多く、見ていて飽きません。さすがTwitterクライアント開発者の集まるサーバー、投稿が短くても面白いなあと思っています。今思いつきました。

Mastodonサーバーの内容とは全く関係ないんですけどmikutter FAQは一読の価値があります。FAQの概念が変質します。 https://mikutter.hachune.net/faq

gensokyo.town

https://gensokyo.town/about

最近、チラシを配布してくれとの投稿があり、やる気を感じさせるサーバーです。https://gensokyo.town/@manage/103068441302460725

サーバー名の「gensokyo」は「幻想郷」であり、東方プロジェクトのテーマサーバーです。Mastodonの機能での「ディレクトリ(ユーザーを見つける)」 https://gensokyo.town/explore から数人覗きましたら、しっかりテーマサーバーやっている感じの投稿が並んでしました。このようにMastodonには活動している人を表示できる機能があり、その投稿内容を見ることである程度サーバー内でどんな会話が行われているかを類推することができます。

私信ですが、僕はノーマルシューターにすらなれませんでした。

imastodon.net

https://imastodon.net/about

ドメイン名の通り「アイドルマスター」のテーマサーバーです。管理人はかつてfriends.nicoを運営していたうちのひとりであるフサギコさんです。今でも流速が早く、テーマ元であるアイドルマスターが好調であることを伺わせます。

グルドン mstdn.guru

https://mstdn.guru/about

backspace.fmというPodcastがありまして、そのリスナーさんが集まるサーバーです。また、サーバー管理者のdrikinさんのリスナーさんが集まるサーバーでもあるようです。「マストドンつまみ食い日記」のライターであるmazzoさんや、「ひらくPCバッグ」のいしたにさんもこのサーバーに所属していたりと、個性が強いユーザーに恵まれているサーバーです。「リスナー」という概念からか、LTLをよく使ってコミュニケーションされている印象が強くあります。

backspace.fmがガジェット系を扱うPodcastなので、それに伴ってガジェットの有用情報がそこそこの頻度で流れてくるので、リモートフォローして情報収集するのもよいでしょう。

ますとどんちほー mstdn.kemono-friends.info

https://mstdn.kemono-friends.info/about/

「けものフレンズ」のテーマサーバーです。べスフレ、ボカロ丼、ぐる丼のようにLTL上でのコミュニケーションが盛んです。雪餅リレーにも参加しており、雪餅リレーに所属しているサーバーであれば、どのように会話がされているのかをリモートサーバーから眺めることができます。覗いてみての感想ですが、空気感としてはべスフレに近い感じがあります。

UNDER-BANK.blue

https://under-bank.blue/about

「ヒーローバンク」というゲームについてのテーマサーバーです。現在はユーザー招待制で運用されています。

サーバー管理者のxanacさん https://under-bank.blue/@rk_asylum は個人的には「Fediverseでフォローすべきユーザー」の一人として強く推奨する人です。なぜかといいますと連合しているサーバーについてもつぶさに観察してはリアクションを出しており、投稿もいい感じだからです。

サーバーとしての性格としてはヒーローバンクから関連して同人系の話題が多い感じがあります。ヒーローバンクもオンリーイベントが第8回目の参加が決定しており、長く愛されている作品であることを感じさせます。

社畜丼 mstdn-workers.com

https://mstdn-workers.com/about

「労働者のためのMastodon」というテーマで運営されているサーバーです。サーバー管理者は「社畜ちゃん」を連載されているビタワンさんです。一時期、サーバーをたたむかもしれないという投稿もありましたが、Entyでの寄付を募り( https://enty.jp/W6OmqMSY1ox2 )、無事運用を立て直せたのだろうという感じがあります。バージョンも最新に近めの追従をしております(執筆現在v2.9.0)。about/moreの支援者リストを見ると、多くのユーザーに支援されていて愛されているなあと感じます。

運営者がITエンジニアの漫画原作をやっているところもあり、ユーザーにはITエンジニアが多いんじゃないかと思います。LTL中心かHTL中心かはちょっとわかりません。

バイク鯖 mstdn-bike.net

https://mstdn-bike.net/about

バイクをテーマとしたインスタンスです。バイクはなかなかに趣味とする人が少ない印象ですが、十分なアクティブを保ちつつ、長い間運用されております。他のサーバーと比較すると若干ですが年齢層が高いイメージです。学生さんは少なそう。あとツーリングで撮られる写真いいですよね!リモート先にも時々流れてきますが、いい雰囲気出てます。サーバー内でユーザー同士のツーリングも行われているようです。

マストどす mastodos.com

https://mastodos.com/about

京都をテーマとしたサーバーです。Mastodonのテーマが紫色をベースとしたものにカスタマイズされております。これは

紫色をベースにしたのは、京都府の紋章に紫が使用されているから

https://7-nana.github.io/2018/10/20/Mastodon-Custom-CSS/

とのことです。

個人的にはマストどすのマスコットキャラクター兼京都ニュースbotのちどりちゃんが、「雨の気配チュン」って投稿したら「あ~数時間後にこっちに雨雲くるのか」っていう気持ちが芽生えたり、Mastodon関連のニュースをピックアップしてくれたりと、珍しく「フォローしてよかったbot」の一つになりました。

そして、マストどす管理人の7_nanaさんが2019/11/15にMastodon宣伝用チラシのデータ無料配布を開始していただけました。これにより、即売会などで各サーバーの人が出展する際に、宣伝として大変助けになると思います。ありがとうございます!

イワテドン iwatedon.net

https://iwatedon.net/about

テーマサーバーには「地域鯖」というさらに細かいくくりがあります。ほかにも大阪丼とか兵庫丼とか箕面丼とかあります。十日町市に特化したマストドンというのもあります。何でもありやで。最強の地域サーバーを作ろうな。

管理人のあくあーらさんは食事の写真を上げるのをテーマとした「ごちそうフォト」というサーバーも運営しており、個人的には飯テロ方面の人という認識でいますが、たまに岩手情報が発信されます。汎用サーバー的な空気感を纏っているイメージです。

ミニ四駆DON mstdn.mini4wd-engineer.com

https://mstdn.mini4wd-engineer.com/about/

ミニ四駆をテーマとしたサーバーです。しっかりテーマサーバーしている感じがあります。アクティブはそこそこですね。平和ながらも日々投稿があり、いい感じです。

ミニ四駆、僕が小学生のころは触っておりましたが、今はめっきりですね。鯖缶のクマノテツさんや、ユーザーをフォローしていると各地でミニ四駆のレースが開催されているのを見ることができるので、たまに触りたくなりますね。マシンチューニングの快感ってITエンジニアにも通じるものがあるんですよね。すみません自分語りしました。

ポケマス pokemon.mastportal.info

https://pokemon.mastportal.info/about

「Hostdon」 https://hostdon.jp/ というMastodonホスティングサービスのサポートを得て運営されているサーバーです。ドメイン名の通り、ポケモンをテーマにしているサーバーです。ここはHTLでの運用が行き渡っているような印象をディレクトリから受けました。ポケモンの話題をしつつも、実質的には汎用的に使われているのだろうと思います。

さて、Mastodonホスティングサービスという用語を出しましたけれども、Mastodonを建てるというのは知識ゼロからだとなかなか難しいものがあります。ITエンジニアからすると手順書がそれなりにしっかりしてるから簡単なほうともいわれてますが、僕はそう思いません(一週間かかったので)。

そういった知識ゼロあるいはOSSの運用知識が少ない人々に向けたホスティングサービスがFediverseには存在しております。そのうちの一つが「Hostdon」です。

ポケマスはHostdonによる運用サーバーの中では規模が大きめのうちに入るサーバーですが長い間運用できており、Hostdonの優秀さを感じることができます。

mimumedon.com

https://mimumedon.com/about/

ミムメモ速報」という、グランブルーファンタジーの話題を集めているWebサイトがあり、そこから派生して立ち上がったグラブルのテーマサーバーです。ゲーム関連のテーマサーバーでいえば、現在ではアイマストドンに次いで2番目に流速が早いサーバーです。それ以上の詳しいことはよくわかりません。

あまりリモート先に投稿が流れてこないっぽいのでもしかするとLTL中心の運用なのかもしれません。古戦場の時期のLTLを見てみたいという怖いもの見たさの気持ちがあります。

ホモォ homoo.social

https://homoo.social/about

ホモをテーマとしたサーバーではないです。

特に冷たい目で見られることもなくさほどチヤホヤもされず女装が楽しめるインスタンス

とのことです。 https://homoo.social/@204504bySE/101612699953233906

2018/08に建てられた、ここで紹介する中では比較的若いサーバーですが(それでも半年~1年半程度の差だが)、しぃさん https://homoo.social/@204504bySE のエッジのきいた投稿と、確かな技術力と管理に支えられて、75人が登録していてアクティブ5割越えというなかなかの活気あるサーバとなっています。

登録に慎重になったほうがいいサーバー

タイトルが「Fediverse探訪」とあるので、あまりこう「この場所は、だめだよ!」とか、「見ちゃ、だめだよ!」みたいなネガティブなことを書きたくないのですが、ファーストステップという位置づけであるこの本において初手を間違えてしまうともう二度と触ってもらえなくなるのではないかという危惧をしており、安全方向に振ることを考えた結果、登録を避けたほうがいいと思われるサーバーを書かざるを得ないという思考結果に落ち着きました。

Mastodonはサーバーフルで運用していかなければならないのと、アクティブユーザーが多いとそれだけ負荷がかかるので、ネットインフラ構築の知識がないとサーバーが重くなり、コミュニケーションが立ち行かなくなってしまいます。

また、Mastodon自体の開発速度が滅茶苦茶早いことの影響から、独自実装を入れるとコンフリクトが発生し、改修がかなり面倒くさくなります。Mastodonがブームになった当初、差別化のためか独自実装を施したサーバーが多く出ましたけれども、より多くの独自実装を盛り込んだところがメンテナンスが行き届かなくなり脱落していったような感じを受けます(個人の感想)。

現在稼働しているサーバーの中でもそのようなサーバーは存在しているので、苦言を呈すようで心苦しいのですが挙げさせていただきます。これから上げる3つのサーバーは、すべて「企業運営」のサーバーです。

mstdn.jp & mastodon.cloud

前提知識としてmstdn.jpは日本語圏で最大級のMastodonサーバーです。サーバー管理者がぬるかる氏から「合同会社きぼうソフト」に譲渡され、さらにそこからグループ企業である「合同会社分散型ソーシャルネットワーク機構(以下DSNOと書く))」に事業譲渡されました。DSNOに譲渡されてからサーバーの安定度がガタ落ちしてしまい、2019/11月の執筆現在ではサーバの長期停止状態となっています。

サーバーの長期停止状態というのはFediverseではよくあることなのですが(だいたいそうなるとサ終する)、DSNOがまずいのは「なぜその施策を行ったのか詳しく発表されない」「サーバーが落ちている状況を別媒体で発表しない」ところにあります。mstdn.jpにはサーバーの健康状態を公開するステータスページがあるのですが、このページで分かるのは「なんか動いててなんか止まってる」ということと、2019年6月2日からろくに稼働していない「合同会社きぼうソフト」のTwitterアカウントがあるだけなのです。

また単純に大規模人数を収容するためのサーバー運営ノウハウがない可能性が高く、数か月たってもフラフラしているので、ファーストステップとしてユーザー登録を薦めるには厳しい状態です。おそらくサーバーインフラを金で殴って解決しなくてはいけない状態であると思われますがその稟議が通らなかったりしたことも見受けられて、Mastodonの負荷解決策が実績を持ってDSNOからの発表がない限りは登録しないほうがいいと思います。規模を大きくするということの負担がどれほどかというのを感じさせられます。

小規模サーバーに分散しつつActivityPub上でつながっていくのが、パフォーマンス的によさそうな所感です。分散によるネットワークのコストについてはまだ考えが及んでいませんが、きっと数年で答えが出るだろうと思います。

Pawoo

Pawooは日本語圏だけでなく世界的にもトップレベルに流速のあるMastodonサーバーです(fediverse.networkの統計より)。Pixiv社が運営して「いました」。Pawooは別会社に事業譲渡されることになりましたが、これについては後程書きます。 Pawooは、バージョン情報がv2.4.0という点からわかるように、アップデートが停滞しております。 https://pawoo.net/about

Mastodon v2.4.0は2018/05/23にリリースされたバージョンです。去年の5月です。ただし、完全に停滞していたわけではなく、GitHubのpixiv/mastodonのpawooブランチ(PawooのmasterブランチとみなしてOK)をチェックしていただければわかるように、依存パッケージのバージョンアップや、セキュリティアップデートなどは行われています。 v2.4.0から適用された更新をGitHubのPawooリポジトリからチェックしていきます。(無闇な批判を防ぐため)


  • ~2018/06/18 tootsuite/mastodonへのPull Request(以降PRと記載。修正・改修の適用希望と捉えてください)をマージしつつも、かなりRevert(修正・改修の切り戻し)が行われていた
  • 2018/08/27 フォロワーの知り合い機能実装
  • 2018/09/14 ギャラリーページの実装
  • 2018/10~ 依存パッケージのバージョンアップやセキュリティアップデートが中心になり、PR適用の速度が落ちる
  • ===2019年===
  • 2019/02初旬まで 目立ったコミットがNode v10へのバージョンアップぐらいしかない
  • 201902 パフォーマンス改善のための改修が中心となる
  • 201903 Railsのバージョンアップ(v5.2.2.1)
  • 201904 friend.nicoのアカウント削除対策とFTL(連合タイムライン)への修正
  • ~2019/08 依存パッケージのバージョンアップ
  • 2019/09/25 スケジューラーの修正、継続的インテグレーションの改修、モデレーションをやりやすくするための(社内?)Slackへの通知追加
  • 2019/09/26 ユーザー新規登録にreCaptchaの設置、フォロー数制限(~7,500)の追加。フォロー制限は本家にも実装されているもの
  • 2019/09/27 pixiv URLの修正
  • 2019/09/30 修正と内部的な改修
  • 201910 いくつかの修正と依存パッケージ更新

継続的な改善はみられるものの、本家リポジトリの機能追加の反映などはほぼ行われなくなっており、このままだとこの先限界になりそうであることを否定しきれません。

そしてここを書いているまさにこの時、ビッグニュースが舞い込んできました。ピクシブ株式会社から株式会社クロスゲートへPawooを譲渡し、運営引継ぎ先は株式会社ラッセルへとなりました。公式リリースと、早速mazzoさんのインタビュー記事が公開されています。

インタビュー記事によると、移管理由としては

(pixivの)海外展開などにリソースを集中させたいということでピクシブから話があった。ラッセルがダウンロード販売を行っている美少女ゲームとの親和性も高い

としており、僕から見ればピクシブからみてPawooは「重荷」となっていたと指摘せざるをえません。先ほどのPawoo自体の更新頻度からもそれはうかがえます。

これはあくまで企業運営的視点ですが、金にならないものは続けていられないわけです。ましてやMastodonそれ自体は、収益化からはかなり遠い位置付けのソフトウェアです。そしてかなりのユーザーをPawooは抱えているので、これを動かすためのITインフラや独自実装の負の側面である本家改修の追従などが相当な重荷になっていたと思われます。インフラを動かすお金、ITエンジニアを動かすためのお金・時間。「リソース集中」という言葉がそれを物語っています。

株式会社ラッセルに移管されてからどのように更新されるかは執筆時点では不明ですが、ひとまず現状としてPawooの状態とMastodon本家の状態はかなりかけ離れており、Fediverseで運用されているMastodonは基本的に本家のバージョンでありますし、かつてMastodon間のバージョン差によって連合が厳しくなる不具合があった(v2.3.x-v2.4.0間)こともあり、Mastodon-Forkの間であっても何が起こるかわかりません。ユーザー視点としては、単純に、本家Mastodonには魅力的な機能が続々と追加されているため、リモート先ではそれが使えてるのにとイライラをためるかもしれません。ぜひとも、バージョン追従をしてほしいなと思っています。

バージョンアップが1年以上行われていないサーバー

Pawooの例に絡めて、アクティブがかなりあって元気なように見えるが、実は更新がめっきり止まっているサーバーがいくつかあります。アクティブであるということはそれなりにいい感じに使えてるとは思うのですが、大多数のサーバーがどんどんバージョンアップを重ねていく中で、周りから取り残されている状態になると、使っててイライラが溜まって来るのではないかと思います。

v3.0.0から、Mastodonでは「フォロワーごとお引越し」ができるようになりました。今までは、サーバーを何らかの理由で「引っ越す」場合、フォローインポートをしてこちらから今までフォローしていた人に引越し先からもう一度フォローして、相手にフォローバックをしてもらわなければなりませんでした。相手にフォローバックをもらう手間が省けるわけです。

繰り返しになりますが、Mastodonの機能拡張はまだまだ活発に行われており、「これがあればいいな」がどんどん消化されております。先ほどの「引っ越し機能」もこの一つです。更新がなかなか行われない、あるいは更新が行われる見込みがないようなサーバーにはじめから登録してしまうと、今後魅力的な機能が追加されたとき、その機能を享受できなくなるわけです。Fediverseのファーストステップを踏んでもらうときには、やはり更新が行き届く見込みのあるサーバーに登録してもらいたいという僕からの希望でございます。

また、サーバー更新が止まっていることのデメリットというと、「セキュリティが弱まる」という点があります。これはMastodonに限らずどのソフトウェアにも言えますが、依存パッケージにセキュリティの穴がみつかったら更新を推奨されるのですが(Windows Updateみたいなものだと考えてください)、古いまま動かしているということは、そのセキュリティーアップデートを放棄しているのと何ら変わりありません。Pawooはこの点は頑張っており、依存パッケージのバージョンアップを行いセキュリティの穴を塞ぐことはやっていましたが、他のサーバーからはそういったピンポイントなセキュリティーアップデートを施してる話はほとんど聞きません(僕のアンテナが弱いだけかもしれませんが)。単純にMastodonサーバーを維持する力が弱い可能性があり、やはりファーストチョイスする意味は薄いと言えます。

2019年11月17日現在、v2.6.0未満のバージョンであり、アクティブがそれなりにあるサーバーを列挙します。v2.6.0は2018/10/31にリリースされました。v2.6.0リリースから、執筆時点ではすでに1年が経過しています。もし自分の登録したい理由に当てはまったとしても、1年以上もバージョンアップがされていないサーバーであることを知っておきましょう。

(searched by fediverse.network)

サービス終了したサーバー

数多くのMastodonサーバーが立ち上がり、数多くのMastodonサーバーがクローズしました。これはfediverse.networkのClosed Instancesから抽出した結果のため言語は絞っておりませんが、MastodonのバージョンでClosedなサーバーの最終バージョンを列挙します。

MastodonサーバーClosed内訳

閉じた時点でのバージョン 対象バージョン期間 閉じられたサーバー数
v1.x.x 2017/02/06 - 2017/10/18 161
v2.0.x 2017/10/19 - 2017/12/15 42
v.2.1.x 2017/12/16 - 2018/01/28 25
v2.2.x 2018/01/29 - 2018/03/09 48
v2.3.x 2018/03/10 - 2018/05/22 415
v2.4.x 2018/05/23 - 2018/09/02 420
v2.5.x 2018/09/03 - 2018/10/30 273
v2.6.x 2018/10/31 - 2019/01/19 390
v2.7.x 2019/01/20 - 2019/04/11 401
v2.8.x 2019/04/11 - 2019/07/13 270
v2.9.x 2019/07/14 - 2019/10/03 386
v3.0.0 2019/10/04- ***

結構面白いデータが出ております。日本で話題になったのは2017年4月下旬ごろで、そこから多くのサーバーがメンテナンスにチャレンジしだしたわけですが、どうもv2.3.xから次のバージョンに上げるための「壁」があったように見受けられます。これは技術的な壁だったのか、それとも、維持する理由がなくなったからなのか。

クローズドサーバーの数が増加したv2.3以降から、マイナーバージョンごとにクローズするサーバーはだいたい270~400くらいになったようです。

ただこれは別に悪いことだけでもなくて、分散SNSのサーバーは「気軽に畳める」という利点があります。なぜなら、ActivityPubというプロトコルの上で実装され、連合できるソフトウェアであるなら、たとえ引っ越さざるを得なくなっても、またフォローすればつながり直すことができるわけです。Mastodonだけでなく、PleromaやMisskeyなど、他のActivityPub実装ソフトウェアが乗ったサーバーでも同様です。おっと、PleromaとかMisskeyとかの他ソフトウェアの解説は、後に回しましょう。この章はMastodonでファーストステップを踏んでもらうためにあるのですから。


個人運営サーバー

有力であった個人運営サーバーがいくつもありました。大人数を率いて積極的に分散SNSを回していった方々がいらっしゃいました。閉鎖の報を聞いたときはなかなかにロスが自分の中で起きました。個人的に記憶に強く残っているサーバーを上げます。

theboss.tech

僕の中で一番衝撃的でした。無修正性器画像を上げまくるユーザーに目を付けられてそれをモデレートしながらも「表現の自由としてこんなん法律がおかしいねん」みたいなことを言っており、マジでやべぇ胆力持ってるなって人だったのでしたが、どうもいろいろあったようでサーバーを閉じられました。

このサーバーの大きな特徴であった機能拡張について語りたいと思います。分散SNSで共通の話題を連合上で追えるようにするには、現状の環境ではハッシュタグを使おうという 認識がそれなりに広まっているとは思います。そこで、LTLを「デフォルトハッシュタグタイムライン」というものに置き換えてしまおうという試みがなされたのが、このサーバーでした。デフォルトハッシュタグタイムラインはabyss.fun(メイドインアビスのテーマサーバー)や、wug.fun(Wake Up, Girls!のテーマサーバー)やdtp-mstdn.jp(DTPのテーマサーバー)などで実装されており、今も生き続けています。

このデフォルトハッシュタグタイムラインの効用については、実はまだ「最高」といえる段階ではないのが現状です。Mastodonには「トレンドタグ」という機能があり、それへの相乗効果があるかもしれないなという見方もありますが、「サーバーを超えた、話題単位でのつながり」という点では今一歩、何かが足りていないという状態です。Fediverseはまだまだ発展途上、というかむしろまだ「何も始まっていない」のかもしれませんね。はは。

knzk.me

神崎おにいさんというユーザーネームでニコニコ動画で活動している人が中心となって立ち上げたサーバーでした。ニコニコ大百科に人となりが書いてあるので暇な人は目を通しておいてください。(つまりそんなに重要ではない)

このサーバーがMastodonで注目を集めたのは、あのEugenさんと仲が良かったところがあります。mastodon.socialが新規ユーザー登録をストップしているときに、Eugenさんじきじきにknzk.meが紹介されました。

“You have closed registrations on mastodon.social, so how will my friends get in or find me?”

Tell your friends to sign up on https://knzk.me/about then tell them:

“Search for MyUsername@mastodon.social” and

voilà, you have found each other.

It’s very similar to how e-mail addresses work.

この紹介もあってか、knzk.meに海外の方がどどっとなだれ込み、めでたく国際色が豊かになったのでした。本当にめでたかったかは知りませんが、しばしば海外からの「knzk」の声が連合から流れてきたので、ワールドワイドに受け入れられていた感じがありました。日本を超えて、広範囲でショックがデカかったのは間違いないと思います。

「KnzkApp」という、スマホでMastodon(knzk.me特化?)を見れるアプリの制作や、Mastodonなどからコメントを打てる生放送のためのOSS「KnzkLive」などを制作されており、Knzkというブランドには優秀な人たちが集まっていたんだろうなあと思います。・・・思い当たるのは約2名ですが。

企業運営サーバー

さて、個人運営サーバーを紹介したら、今度は企業運営サーバーに移ります。企業運営だからといって安心は「全くできません」。むしろ企業のほうが閉じやすいまであります。繰り返しになりますが、企業視点でいえば、慈善事業でない限り、金にならないものは続けていられないわけです。ましてやMastodonそれ自体は、収益化からはかなり遠い位置付けのソフトウェアです。運営元の経営が厳しくなったらバッサリ切られるものだと思いましょう。そう、ドワンゴが運営していたあのサーバーのように。

friends.nico

かつて「日本三大インスタンス」として決まって名前が挙げられたのが、フレニコ・二コフレこと、friends.nicoでした。サービス終了のお知らせはニコニコインフォに掲載してあります。現在、後継サーバーとしてべスフレことbest-friends.chatが動いているので、閉じた原因で思い当たるのはまさに、「経営判断」によるところでしょう。残念ながらドワンゴは現在コストカットに励み、何とか立て直そうとしております。さまざまな事業の縮小・終了が行われる中で、friends.nicoもそれに巻き込まれたということだと思います。

now.kibousoft

個人的に「なぜ閉じたのか」と疑問の企業運営サーバーがこちらです。合同会社きぼうソフトが運営するサーバーでした。合同会社きぼうソフトといえば、はい、mstdn.jp & mastodon.cloudを運営するDSNOのグループ企業ですね。おそらく実態は同じ中の人なんじゃないかと思っていますが、それは推測なだけなので置いておくとしまして・・・

サーバーを複数建てたり、ユーザー登録を許可してサーバーの治安を守るのはもちろんただではないので、コストカットとか「選択と集中」ということでサービスの本数を減らすことについては理解ができるのですが、Mastodonの小規模サーバーで言えば、月3000~5000円ほどで十分運営できるはずなのです。合同会社とはいえ仮にも企業なのに、これを手放すというのはちょっと理解ができません。先に、その程度でびくつかない程度の資本を得てからMastodonを動かすべきだと思いました。(おそらく独自機能もメンテナンスの辛さを上げていたのかもしれない)

ホスティングサービス「ムトー」

番外的位置づけになりますが、サーバー運営をやりたい人にとってはかなりデカいニュースが2019/11/05に来ました。Mastodonをホスティングするサービス「ムトー」がホスティングサービスを終了するとのことです。

【重要】「ムトー」サービス終了について

去年の8月10日にムトーが運営するサーバーが全停止するハプニングが あったりとなかなかにホスティングサーバー運営に苦労してそうな印象でしたが、利用者が減り、基盤運用に利用しているサービスが終了してしまうということになったというところで、合わせてサービス終了になるとのことです。

どこかの企業運営サーバーとは違って、サービス終了の期日をちゃんと見える形で告知していたり、何かが起こったときに速報的に避難先(mstdn.jp上やm.toサブドメインで自鯖運用していた記憶)で状況を連絡していたりと、やることきっちりやっていただけに、サービス終了が悔やまれます。個人がサーバーを運営するという障壁を下げてくれていた企業だと思います。本当にお疲れ様でした。

結局、MastodonやPleroma、Misskeyのホスティングサービスは、個人によるものしかなくなってしまった認識です。Masto.hostと、Hostdonですね。分散SNSを駆使したサービスは、個人が動くほうが、むしろ強いのではないだろうかと見做してしまうかのような現状が広がっています。きっと企業運営のほうが金銭的や人海戦術に強いはずなんですが。

まとめ

とっても長くなってしまいました。日本でブームが起きてから約2年半!その間に、とても多くの運営サーバーでさまざまな動きがありました。「日本三大インスタンス」と呼ばれたあの頃の運営母体は、なんと「どれもが、譲渡」されました。2018年では全く想像ができなかった状況と思われます。そんな中、2017年からずっと、本家の爆速開発に追従してMastodonサーバーをアップデートし、一般ユーザーに場所を提供しているサーバー管理人の努力も、見過ごすわけにはいきません。もちろんサーバー管理人だけでなく、そのサーバーに住んで、話題を提供している一般ユーザーがいなければ、「SNS」は成り立ちません。どれもがひたすらに尊いわけです。

いろいろ書きましたけれども、とにかく、活発なサーバーに登録して、Mastodonを味わってみてください。