この記事は インターネット蟹工船 Advent Calendar 2018 11日目の記事です。国見小道のブログへようこそおいでくださいました。6日目開会宣言があったものの、11日目になるまでまともな記事が上がってないのがインターネット蟹工船らしさといえます。みんなやっていきだして。

インターネット蟹工船とは

https://nere9.help/ を読んでください。

mstdn.nere9.helpでの交流

インターネット蟹工船Mastodon入り口から乗船しました。始めはmstdn.jpインスタンスに登録して2週間ほど使用感を調べておりましたが、mstdn.jpが肌に合わないなと感じたため、自分についてもっと楽に語れるインスタンスを探していたところ、インターネット蟹工船にたどり着きました。

おささん が在籍しているというのもインスタンス選定に大きく影響しました。直接の面識はありませんでしたが、Twitterのほうではおささんのツールに色々お世話になっていました。

もともとのコミュニティの場所についてはよく知りませんでしたが、mstdn.nere9.help上での交流としましては、面白い人がたくさんおるなあという印象でした。面白いというのにも種類があるのですが、僕が気に入ったのは 人間特有の泥臭さを感じさせる投稿が多かった というものです。泥臭さを投稿してくれる人が大好きです。 人生難しいですからね。嘆かないほうが激レアというものです。共有してやっていきたいものです。

ここから先は、インターネット蟹工船(以下nere9)で紹介したいことや、分かったものをつらつらかきます。概ねMastodonの話です。

EST(Ejoneco Standard Time)

nere9の名物ってなんだろうなあと思ったのですが、えじょねこ氏の「時報」がそれにあたるなあと思いました。さすが、管理人自らがコンテンツとなるその姿勢に脱帽です。

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この時報が一般的には人間にとって寝ている時間に発せられるため(えじょねこ氏はねこです よろしくお願いします)、Japan Standard Timeからもじって、EST - Ejoneco Standard Time と自然に名前がつきました。たぶん。

なお、えじょねこ氏のアイコンはカスタム絵文字化しており、外部での使用も(都度確認はすべきですが)許可されております。というわけで悪い鯖缶のオタクどもはカスタム絵文字をかっさらってカスタム絵文字のえじょねこ氏にしゃべらせるわけです。

以下が大まかな用法です。

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:ejoneco: < にせもの!!!

HTL利用者・LTL利用者の割合でインスタンス自体の方向が変わる

インターネット蟹工船にたどり着いた当初は、ローカルタイムラインの流れが散逸しているように見えてました。 インスタンスに新規登録したらまずはLTLで情報収集をしますが、誰が何の話をしているのかわからない時が多かったです。唐突に相槌がながれてきて「いや何に理解示してんねん!」となっていました。あと、あまりLTLに出ない、でもたまに出る、みたいな人もいました。この点に気づいてから、ようやくMastodonの面白みが分かってきました。

ここの人たちはホームタイムラインを構築して過ごしているんだと気づきました。 Mastodonインスタンスに登録して出迎えてくるUIデザインでは「ホーム|通知|ローカル|設定」となっていると思います。このため、だいたいのひとはLTLに流れていくと思います。そうしますと、LTLを使っていくうちに「Mastodonってフォロー使う必要ある?」となります。 これは自然な反応だと思いますが、HTL(ホームタイムライン)を使っている人たちの割合が多くなると、LTLの機能性が下がっていきます。そのインスタンスでのトレードオフの関係なのかなぁと思います。そこまで単純ではないとは思いますが。

何が言いたいかというと、LTLに引っ張られずに発言できる空気感がインスタンスを包んでいました。 これはmstdn.jpから移ってきたときに、そして音屋丼銀河丼を覗き始めてから分かったことです。LTL利用者が多いインスタンスは、話題の流れがLTLに起因するためLTLの流れを気にすることになります。HTL利用者が多いとその逆でLTLの流れを気にすることは少なくなります。流れを気にする人たちが少なくなれば、あまりそういった方面への配慮を考えすぎなくてよくなる、といった感じです。

僕は基本的にオープンに発信していくことを好む性格です。HTLは他インスタンスとの交流やブースト機能による面白話題の共有などがギンギンに働くタイムラインです。 HTLの利用はオープンに発信することの楽しさを増幅させてくれると感じました。まあ、もともとTwitterがそうであったわけなのですが。

そういうわけで、HTLとLTLそれぞれの機能について、どれだけの利用者に使われているかによってインスタンスの雰囲気にダイレクトに影響を与えるなということを学んだのです。

色彩豊かな連合タイムライン

連合タイムライン(FTL)の仕様を調べてもらえるとわかりますが、インスタンスのユーザー人数が増えればFTLの速度がどんどん上がっていきます。つまりFTLが一番面白いのは小~中規模インスタンスにあります。

nere9に来てLTLの特徴の後に気づいたのが、この「色彩豊かなFTL」でした。未知のインスタンスに数多く出会えました。 mstdn.jpでも当然ながら未知のインスタンスはたくさん出会えるのですが、FTLが爆速になっているのと、なんでか日本語圏以外のインスタンスが大量に混ざりこんでおり(jp版FedBotが混ざっていたかも?)、使用感としてはあまりよろしくなかったです。

nere9のFTLは速度も内容もとてもいい感じになっており、そこでsocial.mikutter.hachune.netmstdn.maud.ioなどといった面白いインスタンス及びコミュニティを知ることができました。ここで得たフォローが、今のおひとりさまインスタンスでのHTLの充実に百役ほど買っております。

分散SNSについて様々なことを学べた

nere9に登録したことで、HTL・LTL・FTLの使用感だけではなく、分散SNSについての多くの特徴を体験することができました。まあこれはnere9だけで得られる経験というわけではないです。Mastodonに限定しているわけでもありません。Fediverseに散らばる数多のインスタンスに登録することで得られることであります。

登録したインスタンスを外から眺める

ブラック企業でよくある話として、「ずっと同じ場所にいるせいで世間から隔離される」というものがあります。部活やサークルなどもそうですよね。吹奏楽部にいた時もそんな感じがしていました。

いろんなインスタンスに登録して、LTLの内容を比較すると面白い発見があります。というかまあ当然のことではあるんですけれども。どのようなユーザーが登録しているかで、インスタンスのカラーは決まります。

nere9とmstdn.jpを比較してわかったのは、nere9は不穏な話題について受け止め反応を真摯に返してくれる人が多かったですが、mstdn.jpは不穏を茶化す人が多かったということでした。 不穏=真面目な話題と捉えてもらえても結構です。

僕としては、割と真面目で賛否両論を生む話を投げかけるのが多いうえに好きなのですが、残念ながらmstdn.jpではそういった層が薄いようで、ミスマッチなんだなあということが分かりました。

別にこれはmstdn.jpが悪いというわけではなく、インスタンスのカラーと自分のスタンスがミスマッチだったというだけ です。先ほども述べたようにFediverseには数多のインスタンスがあるので、気にくわないインスタンスであることが分かったら手軽にお引越しできるのが利点ですね。Twitterではそうではありませんでしたし。

気分により発言するインスタンスを変える

人間というものは気分がうつろいやすいものですのですが、気分別に投稿するインスタンス先を分けるというのもできます。連合しているため、それぞれを繋げることも可能です。

僕としては、あたまわるくいたいときはmstdn.jp、エンジニア的に割と普段の調子で喋りたいときはnere9、かなりマニアックな音楽・DTMの話をしたいときは音屋、艦これの話したいときはkancolle.socialといった感じで分けてました。

互いにActivityPubを喋ってるわけなので、つぶやきのURLを検索するなどしてリンクさせて、別のインスタンスに配送することも可能です。複数インスタンスにわたって1か所から話題を提供することができます。

インスタンスごとの空気感の違い

色々なインスタンスをみてびっくりしたのはそのカラーの違いがかなり明確であることでした。陽気なインスタンス、研究者的なインスタンス、泥臭いインスタンス、マニアックなインスタンス。いろいろな空気がありました。同じインスタンスでも、タイムラインを構成しているユーザーが変わればそれだけ空気も変わっていきます。

本当に色々な空気があるので、先ほども言いましたが、合う合わないが当然ありますので、気軽にいろんなインスタンスにアカウントを生やして観察してみましょう。

ローカルタイムラインへの憎悪

ローカルタイムラインは極めて不安定な要素です。 特にこれといったチェックをしていないオープンインスタンスにとって、悪意の有無にかかわらずLTLをかき乱すユーザーの遮断はできません。初撃はどうしても許してしまいます。 また、LTLの治安を維持するのは並大抵のことではありません。千差万別な人間たちが努めてLTLの治安を気にした発言をしていかなければなりません。これはとても大変なことです。

LTLは脆弱性が極めて高いのに、それを中心とした文化が栄えているというのは驚嘆に値します。

ところで残念ながら、nere9においても悪意のあるユーザーが紛れ込んでしまいました。HTL中心のインスタンスであったとはいえ、インスタンスに備え付けられた概念を全く配慮しないで意見を発信するのは厳しいものがありました。 何があったかはnotestockで僕のアカウント&2018/05/09あたりで検索していただければわかります。LTLに流出する悪意をせき止める必要があり、なんとかリプライでの会話に落とし込んだのをよく覚えています。

たとえどんなに雑な論説だとしても、それをLTLという池に投げつければ波紋が広がっていき、その池に住んでいる住民に影響を与えるわけです。先ほど言った、初撃を許してしまう性質と、そこから広がる波紋から与えられる影響は完全に無視するには厳しい性質と掛け合わせられ、極めて表現に足を取られる機能として自分に意識付けられていきました。

もともと、 「分散型SNSが可能にするのは、自分を縛るのは自分だけ、そういった他人に犯されない情報発信の場を確保できる」)という主張にとても感動していた 時で、いつかはおひとりさまインスタンスを作って積極的に分散させていくべきだろうなと思案していたところにこういった事件があったため、先延ばしにするにも限界があるなと思い、C94出展の準備より優先しておひとりさまインスタンスの構築を行いました。

こうして、インターネット蟹工船から降りることになったわけです。たまにインスタンスの不調で再乗船することはありますが。とはいえ、nere9と自分のインスタンスは連合を組めているので、何の問題もなくインターネット蟹工船の皆様方と交信することは可能です。 それまでやっていたことと変わったことはさしてありません。違うとすれば、僕のトゥートがnere9LTLに載らなくなったこと、そして僕の発言はLTLに足を引っ張られることなく、インスタンスの間借りをしていた意識から解放されたことでしょう。

インターネット蟹工船への賛辞

たった半年ほどのインスタンス在籍となりましたが、本当に色彩豊かなインスタンスを構築していただいたえじょねこ氏にはとても感謝しております。また、インターネット蟹工船インスタンスで様々な示唆を与えていただきましたnere9ユーザーの皆様、本当に楽しかったです。ありがとうございました。自分のインスタンスがコケたらまたその時はよろしくお願いします。

思考の/dev/nullに乾杯。