こんにちは、国見小道です。明けましておめでとう御座います。今年も何卒、私と弊サークル「Blowing」をよろしくお願いいたします。今年は音楽方面の活動は縮小しますが、代わりに技術方面への活動に注力して、「年収+100万」を達成できるような活動ができればいいなと思います。年末年始は、去年のやり残しを片付けることからスタートしております。うおー作業の手を止めたら未来の僕が逝ってしまう。

さて、去年末の目が覚めた紅白から立て続けに音楽祭に行ってきました。そう、この前記事を書きました、「艦これJAZZ祭り」を聴いてきたわけであります。楽天チケットによれば正式名称は「鎮守府新春JAZZ祭り2019 in 日本武道館」っぽいですね。

言いたいこと

帰りの電車の中で書いただけでも3000字をすでに超えていました。やはり書いているうちに長くなると思うので最初に結論を書いておきたいと思います。

  • 8,800円は全然安い!最高のライブだった(昼夜通して3万とられておかしくない出来だったので後でアーティストに還元する)
  • 前段作戦と後段作戦のギャップに驚愕
  • ゲスト演者の適材適所さも素晴らしい
  • ビッグバンド編曲はよかったのだけど「ゴトシ」感が拭えず
  • やはり「同人活動」は終わらない、そして辞めれない
  • 後日、ただの情緒不安定オタクになりっぱなし

とにかく最高のライブでした。ライブの翌日、目が覚めると同時に泣いた経験は人生初でした。 今年1年このライブを思い出して邁進していきたいと思います。あ、ライブ会場で発表された艦これ運営周りの内容については詳細は各地に転がっているので検索してください。いやー「動くレイテ」実現したら面白そうですね(ニッコリ)

ライブで何をやりましたか?

ざっくりあげます敬称略。

  • 艦これの曲を「ビッグバンドジャズアレンジ」で十数曲ほど演奏
  • アレンジャー兼バンドマスター村田陽一
  • ジャズの中でも「ジャズロック」な編曲が大半
  • 割と曲の切り替えはハイペース。ジャズならではのアドリブもかなり控えめ
  • ただティンパニーや鍵盤打楽器、和太鼓やボーカルを含めた編成なのでサウンド感はなかなかに新鮮
  • タップダンサーとビッグバンドのシンクロを聴けた
  • 無良提督がダンサーと一緒に「地上で」舞った
  • シークレットゲスト 紫綬褒章受章のバレエダンサー下村由理恵
  • 「演出」中心の前段作戦 「演奏」中心の後段作戦
  • 伊東たけしが「さらっとガッツリ」持っていった
  • ToshI(龍玄とし)の圧倒的「シズメシズメ」
  • 最後は声優陣がレジェンドを差し置いて持っていく

盛りだくさんですね。なんでひっそりと紫綬褒章受章者出てるんですかね。 一番驚きだよ。

これブラウザゲームの催しと聞いても誰も信じてくれなさそう。うん、最高のライブでした。これで8,800円は安い!イイね。

実際その場で味わったものの感想については一緒に聞いてくれた人(昼・夜両方聴けました)と語り合うとして、ビッグバンドアレンジに心酔している「同人アーティスト・アレンジャーとしての」僕の感想をお届けしたいと思います。

実は全員やベーやつらだったのでは

Twitterでハッシュタグを追ってたりしてみると、実はタップダンサーも装備がしんどい中やってるような話が出てきたり、世界で活躍してるみたいな話がチラチラしてて、名前が表向きで出ていない演者さんも全員やべーやつらだったんじゃないかと思いました。どの方面においても、隙というか、穴というか、そういったところが見当たらなかったです。これブラウザゲームの催し物なんですよ。

そんななか全曲編曲担当した村田陽一さんは凄まじい「バランス感覚」だったと思いました。 おそらく各フェーズについて事細かく把握し、これだけ隙のない出演者を如何にして「全員輝かせられるような」編曲というかステージメイクをするか。かなり難しかっただろうと思います。

「演出」の前段作戦、「演奏」の後段作戦

去年末のオペラハウスから引き続いてアレンジャーが村田陽一さんという予測だったので、原曲寄りで自然でさっぱりとしたアレンジかなあと思っていました。最初の4曲ほどのアレンジは予想的中の味付け控えめアレンジだったのですが、控えめすぎてアドリブソロがあまり聴けず。

個人的にはビッグバンド側のアドリブソロが聴けないのは割とイライラがあったのですが、聴き終わって冷静に考えてみたら、なるほど「演出」に重きを置いたんだろうなあと感じました。

ビッグバンドだけでの演奏は体感として割と短めで、あとは和太鼓とのコラボ、タップダンサーとのコラボ、バレエダンサー(榛名に扮してひっそり混ざる下村由理恵さん)とのコラボ、無良提督とのコラボ、あとは2019年から始まる各社とのコラボなどの紹介や声優陣MCなど。これだけを圧縮して前段作戦として提供していたので、ビッグバンドを期待して来てた人にとっては若干肩透かしだったかと思います。

しかし、やはりバックバンドにも長年プロやってそうな方々を揃えて(顔見ただけで名前は分からず)いるだけだって、後段作戦では「Legend」をフロントに、一気に演奏中心のコンサートへ。ここから僕の気持ちはとても高まりました。本当に凄かった。

Legendと艦これのミックス

ミュージシャンゲスト1人目として伊東たけしさんが入りました。いつもの?黒Tシャツにバンダナといった風貌で。ほんと、いつものといったかんじで入ってきました。MCの前紹介も入れられないまま。

…目が覚めました。前段作戦では若干ふわっとしたビッグバンド演奏がここからキリっとなったのが如実に感じられました。これが、これがLegendの力…

自然でさっぱりとした編曲も、よりジャズ的なアレンジというか、演奏者も楽しくなれるようなアレンジにしているような雰囲気も感じ取れました。後段作戦から編曲指示として「ビッグバンドが主役」という指示があったのかもしれません。

伊東たけしさんの演奏はもうまさにT-SQUAREでのそれだったのですが、不思議と艦これの音楽に馴染んでいるわけです。2曲演奏されましたが、この2曲(波濤を超えて・鶴堕ちる海)は本当に面白かったです。特に鶴堕ちる海。ボーカルとアルトサックスのミックスやそれに応える管楽器群。明らかに他の曲と吹き方を変えてきてると感じました。(YBBJC出た身としては「これ完全に同志社サドハドのアレや」と思ったりしました)

ミュージシャンゲスト2人目としてToshI(龍玄とし)さんが入りました。風貌がどう考えてもジャズじゃねえなとは思ったんですが、いざ演奏が始まれば、むしろこの風貌が正しかったんだなと修正をかけられました。パワーこそが正義だ。

龍玄としさんの「シズメシズメ」は本人もおっしゃっていた通りこのアレンジによって「シズメシズメ」が最終形にデジモン進化したような印象でした。あと声量というかマイク入りがおかしかった。…ジャズロックとしてのコラボとしては、最適解に近いものなんじゃないかと思いました。

編曲の「ゴトシ」感

再度言いますが「同人アーティスト・アレンジャー」としての個人の意見です。

おそらくなんですが、今回のコンサートのアレンジについて、村田陽一さんならもっともっともっと凝った編曲ができたのだろうと思います。現にSOLID BRASSとかいう普通ならやらない編成での編曲や、とてもニッコリするオリジナルビッグバンドアレンジCDが販売されています。サンプルがYouTubeに上がっています。

ですが、ここまでスーパーアーティストが目白押しの場合、凝った編曲をどんどんブチ込んでしまうと、ただでさえそれぞれが主張し合っているのにバックまで主張してしまうともう武道館がヤサイマシマシニンニクマシマシカラメアブラの大騒ぎになります。

なので、コンサートの起承転結を作るために、薄味なアレンジをこさえたのかなあと勝手に予想しています。そこに、商業音楽みを感じました。

いや、あの場ではそれが正しかったと思います。「もっと凝ったアレンジをたくさん」なんて、完全に僕の我儘です。だけど、艦これ原曲の縦ノリな雰囲気をもっとヨコに、原曲は2分ほどしかない曲を8分ぐらいに引き伸ばしたりして、JazzyにGrooveさせていただけていたら、僕はその場でオンオンと泣き叫び崩れていたかもしれません。すいません、マリアシュナイダーやボブブルックメイヤーを聴きまくってこじらしてるんです、すいません…

「プロのビッグバンドアレンジを艦これという土壌で拝める」ことに最大の力点を置いていたため、ほんのちょっぴりですが、ほんのちょびっとなんですが、「もっと聴かせにかかってきて」欲しかったです。曲数をちょっと絞って、凝ったアレンジを1・2曲入れてくれていたら… 泣き叫んでいました。確実に。後日に決壊するのではなく、当日昼の部からもう錯乱状態に入っていたかもしれません。

たとえ公式がプロを引き連れ同じ編成で殴りこんできても、同人の足は止められない。

武道館で出会った、それまでに鎬を削ってきたプロ中のプロ達がマウントポジションを取って観客を天国へ送る最高の演奏・演出は最高に尊かったです。一生忘れることはないでしょう。

ですが、ですが、ですが。僕としては艦これ曲を最大限凝りに凝って煮詰めて、コンテンポラリージャズらしく横に横に引き伸ばして、場面転換も3つ4つ突っ込んで、「なんだこれは別物・・・?いや、違う、確かに原曲は生きている」といった感想を自分の編曲した音源で持ちたいしそれをリスナーにも味わせたいわけです。

同人アレンジャーとしてできることはまだまだありまくるわけです。折衝にとらわれることなく、自分の本心を煮詰めたビッグバンドジャズアレンジは、きっと同人のフィールドだからこそできるのではないかと思います。たとえ公式が一流プロを束で引き連れて圧倒的パフォーマンスを見せつけてきたところで、その心は消えませんでした。

近日中に、周回遅れとはなってしまうのですがC95で出した音源4曲のクロスフェードをSoundCloudなど各所にアップロードしたいと思います。上記のstrong箇所について「なるほどね」と思っていただければ最高であります。さらに後日、Bandcampあたりで通販の準備も進めてまいりますので何卒宜しくお願い致します。


ここまで4000字ほどの記事を読んでいただき、ありがとうございました。正気をギリギリ保ってこれまでの文章を書いてきたわけですがライブが終わって2日経った今でも情緒不安定になっているので、その有様をこの記事にたたきつけて〆たいと思います。

以下、情緒不安定なオタクの率直な感想

何が何だかわからない。僕は艦これJAZZ祭りに参加してたはずだが何だったんだあの日の出来事は。

自分はいつもコンボ編成やビッグバンド編成の本番を聞きに行くつもりで日本武道館に赴いたつもりだったのだが、出会ってみたら何なんだこれは。訳が分からない。情報量が多すぎる。情報量がまるで音楽業界での音圧競争みたいな詰め込み方をしててやばい。僕らは丸腰なんだよ。許して。

正直、スペシャルゲストの報を聴いて震えてはいたもののまだ慌てる時間ではないと思っていたのさ。なぜなら楽天チケット販売サイトではこう書いてたわけだよ。完全に騙されたよね。

【出演者】
演奏:「艦これ」公式JAZZバンド1YB (Big Band編成)
スペシャルボーカルゲスト:龍玄とし(Toshl)
スペシャルゲスト:伊東たけし(Sax, from T-SQUARE)
ご挨拶:無良提督 (無良崇人)
ダンス:「艦これ」公式ダンス艦隊2YB
総合MC:藤田咲
鎮守府秋刀魚祭り四人衆(藤田咲・山田悠希・タニベユミ・内田秀)
中島愛・宮川若菜・高尾奏音

あっさり書きすぎだろ!!!!!!!!!!

あっさりと、書きすぎだろうが!!!!!!!!!!!

もう全部に突っ込んでいくぞ。まずビッグバンド編成だ。頼むから編曲者を強調して挙げてくれ。 頼む。オペラハウスの時やonICEでのゲストの豪華さからして多分そうなるだろうなとは思ってたけどやっぱり村田陽一さん来ちゃったよ。 20曲ほどアレンジさせるとかやばい。艦これってなんだ。ブラウザゲームだろ。なんでこんなことになってるんだよ。

あとな、それぞれの楽器の鳴りが百戦錬磨の音をしてるんだよ。 これ自分がレコーディングを通して気づいたことなんだけど、しっかりとマイクに乗る音を維持するのってすごく大変なんすよ。それを昼夜と涼しい顔でやってのける各アーティストがやばい。スタジオミュージシャンてんこ盛りだろ。ビッグバンド編成を担った全員の名前を発表してくれ。 はやくするんだ。

特に、ギタリストの方には本当に驚愕した。堤博明さん。 ビッグバンドでのギタリストを見るたびに音色の使い分けについて大変そうだなぁと思ってみてるんだけど、堤さんの演奏から、まるで曲を自分のものにしたような「圧」を感じました。やばい。Groove感半端ない。堤さん半端ないって。

かなりギターの音量がマシマシかなあと思ってたのだけど、曲調から外れたわけでは全くなく、「なるほど」感がすごかった。わからされてしまう。実力でねじ伏せられて自分の中の考えが書き換えられていく。これが、これがプロアーティスト・・・!

そして今回の記事を書くにあたって初めてミラクルバスというサイトを初めてみたのだけど、堤さんめっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ仕事されてる。編曲にギターに精力的に活動されてますね… 仕事一覧みたいなの見れるとニッコリするね。

ついでに言うと正直のところ日本武道館の音響ってもともと運動系の催し物を開くところだったから音響については期待薄だったんだけど、そんななかしっかりと音響をメイクしてくるPAスタッフも確実にヤバイ。 PAを誰に頼んだか至急発表してくれ。

次行こう。無良提督がご挨拶どころじゃなかっただろ。陸上でがっつり踊ってるじゃないですか。というかドセンター張ってるやんけ!! 四大陸選手権覇者といわれているアーティストをご挨拶だけでさらっと書いちゃダメだろ!いやまあ紙面の折り合いとかはあるとは思うけどさ・・・

氷上のアーティストがなんでタップダンサーやバレエダンサーに引けをとらず振舞えてるんですか。僕はonICEについては自分の中のハイソサエティが育めてなくて見逃したんだけど、これは見に行くべきだった。見に行くべきだった!

そしてタップダンス。これも全員名前を発表してくれ。頼む。 Jazz・IT畑の民なのでダンサーとかについては完全に観測範囲外なんだけど、日本武道館という場所であれだけタップの音が会場にくっきりと響き渡っているのは激ヤバ。PAの頑張りもあるとは思うのだけど、どれだけ頑張ったところで元がよくなければどうしようもない。タップダンスについては無知だけど、音色やリズムについては評論できる僕としても、あれだけくっきりとした音色を会場内に響き渡しつつダンスもしっかりとシンクロさせて表現してくるのが末恐ろしい。ダンスのポテンシャルってのをまざまざと見せつけられた。

ここでも編曲のすばらしさを書きたいんだけど、ビッグバンドとタップダンスがしっかりGrooveして聞こえてくるの控えめにいって激やばでしょ。 ビッグバンドとタップダンスがしっかりと噛み合うように編曲して演奏させるの尊さしかない。最高。最高。でさでさ、タップダンスとビッグバンドが組み合わさるなんて聞いたことも見たこともなかった。そこでさっきの楽天チケットページの表記を見てよ。あっさりと書きすぎだろうが!!!!! たんなるダンスじゃないじゃん!!タップダンスじゃん!しかもタップダンスとビッグバンドのコラボレーションじゃん!!なんでそこもっと主張して書かないの!!!

そしてひっそりと隠しボス(隠れてない)、紫綬褒章受章のバレエダンサー・下村由理恵さんをコスプレ姿で踊らしてくる、しかも未発表でな!何考えてんねん!!本当にありがとうございます。

まず浅学ゆえ紫綬褒章という単語が聴きなれなかったので軽く検索したところ日本国にじきじきに指名されて得られる章とのことで、なんつー人を呼んできたんですか!!!そこは事前に書こうよ!!!ダンサーの主役となるところで声上げたかったよ!!すごさが呑み込めてなくて「え・・・なんかわからんけどすごい」って小学生並みの感想を抱いて結局レスポンス返せずに当日終わっちゃったじゃん!!!ダンサーが主役を張り終わったところで拍手したかった!!踊ってくれて本当にありがとうございます(泣)

続いて声優陣です。強く印象に残ったのは藤田咲さんの司会としての回し方。 最高。巷の声優仕事風景を見ていると、キャラに声を吹き込むことやナレーションをするだけではなく、アニメイベントの司会やある種芸人的なふるまいをしたりラジオをしたりとか、フルスタックエンジニア並みに働かされる情景を目にしててほんと大変だなあという思いがあって、それぞれをプロとしてこなさなければならないという大変さが恐怖なわけですが、藤田さんはしっかりと声優だけでなく「JAZZ祭りの司会業」ということもしっかりとやってくれて、本当に頭が下がります。尊い。尊い。ああ尊い。涼月えっちい。初音ミクを作ってくれてありがとう。すべての出会いに感謝。

さて、たかが一つのライブに書くような文章量じゃないとは常々思っているけどまだ書ききれている気がしない。あと2000字は書いてやる。そう、スペシャルゲストについてと、それと組み合わさる編曲の妙について書いていこうと思う。


僕がこのライブでもう一つ、最大の関心を寄せていたのが伊東たけしさんの演奏。先日の記事にも伊東たけしさんのお話をゴリゴリ書いたけども偉業についてしかよく知っておらず、生の音も面と向かって拝聴してこなかったわけです。

艦これ x 伊東たけし。 先ほども書きましたけど、なんというか、伊東たけしさん本来のスタイルは崩していないのに、それが艦これとしての世界にきっちりとはまっていて、あの、ぜひとも原曲の方にもご参加願いたいのですが、あの・・・(´;ω;`)

さっきも書いたのですが、特筆するほどに感動したのは、このライブで最高に感動したのは、「鶴堕ちる海」でのパフォーマンスです。曲調としてはファンク寄りのジャズロックなんだけど、ボーカルとアルトサックスのミックスが強烈に焼き付いて残ってます。尊い。尊すぎる。ユニゾンでミックスされるので若干歌詞が聞き取りにくくなるのは致し方無い。そんなことより、あの ボーカルとアルトサックスの音色の絡み具合よ!!

ボーカルと管楽器の絡みってのは、実はビッグバンドでの面白さを形作る一つの組み合わせ方で、ケニーウィーラーやマリアシュナイダーはその手法を多用してるのだけど、透明な空気感にとても良く合う。だけど、鶴堕ちる海はがっつりとファンクというかロックというかそんな感じの曲調なのだけど、強い「悲しみ」というか赤黒い感情というかそういったものにすら、合ってきてしまう。 会場で聴いて、ぶったまげた。演者の上につるされているスクリーンからボーカリストとサクソフォニストが交互に映されて、楽器やスピーカーから一体となった音楽が流れてきて、あの時の情景を思い出すたびに「まだまだ頑張れちゃうわ」って思うわけです。ああいった演奏というか仕事というか、そういった努力の上で成し遂げたいことがきっと叶うだろうなと、そういった気持ちになれたわけです。

自分は音楽を突き詰める悪い癖として演奏を点数付けしてしまうものがあるんですが、そのせいで心に残る!といった曲が一般的な方々より限られてるんじゃないかなとたまに思うわけです。そんな僕でも、あの「鶴堕ちる海」は思い出すたびに鳥肌が立って、目にさっと湿気を帯びる感覚が襲ってきてしまう体にされてしまいました。

ほんとなんなんですかね。艦これって。まさか艦これという土壌で至高のお気持ちを抱えることになっちゃうなんて思いもしなかった。感謝は金の形で払う。なので各位申し訳ないが金を満足に稼げるようになるまでこういった文章の形でご勘弁いただきたい。

つぎ。艦これ x ToshI。 原曲としてはボーカルに親和性があるものが多かったのでクオリティの心配はしていなかったのだけど、何が飛び出してくるのか、全く想像できていなかった。まさかああなるとは。ああなるとは・・・!

Jazzに入り浸っている僕としてToshIさんの活動についてはテレビで拝聴する程度しか知らず、もともとX JAPANとして活動するアーティストとしてしか知らず、Jazz x ToshIとは….?になっていたが、「モドレナイノ」を聴いて、何と言いますか、ジャンル分けなんて小さいことがどうでもよくなって、ただ目の前から繰り広げられる圧倒的な音楽にぶちのめされてしまった。

ToshIさん自体がとてもストレートに会場に響き渡る声質をしていて、それがBrassと密接に絡み合うわけですよ。予想としてはスキャットとかやるのかなとか思ってたのだけど、まるでリードラッパのようなレーザービーム音像の歌とビッグバンドの濃厚なサウンドがきれいに組み合わさって、言葉になりませんでした。ビッグバンドに負けない声質ってすごいですよね。ミキシングでボリュームを上げてもどうしようもないときってあるのだけど、たぶんToshIさんならミキシングでいじらずともバンドをリードしてしまうことでしょう。

そんな組み合わせで生み出される「モドレナイノ」が本当に最高で。ToshI本人が「私に歌われるために生まれてきたんじゃないのか」というのも納得のシンクロニシティが僕に直撃of直撃をして。これもまた、鶴堕ちる海と並んで最も印象に残った演奏だった。

今回のライブを聴いて、ジャンル分けなんてものにとらわれることが改めて馬鹿らしくなっちゃってね。いや、マイルス兄貴がもともと仰っていたようにジャンル分けなんてただのタグ付けに過ぎなくて、自分らのやりたい音楽に対してたまたま「Jazz」ってタグが付いてるだけで。今の「Jazz」というイメージにこの演奏を照らし合わせてみたとして、ティンとは来ないかなとは思う。だけどもうそんなのはどうでもよくて、「最高」に出会えたら「最高」なんだなって。 とてもシンプルな情景に巡り合うことができてほんとうに最高だった。

伊東たけし・ToshIという、ジャンルが全然違うお二方に対して同じライブで編曲をすることになった村田陽一さん、改めて、惜しみない拍手を送りたいです。全然タイプが違うお二方が同じ会場であれだけ色の違う演奏をしても破綻することなく立派な生きた作品としてきっちりと提供した編曲の巧さ! 前半ではちょっと辛めに書いてしまったのだけど、スペシャルゲストでひしめくなか、すべてを生かした編曲を提供していただいて、本当にすごい。ありがとうございます。ありがとうございます。金と時間作ってライブ行きます。

ここ記事UPしてからの修正なんですがどうしても言いたいことが二つあった。1つは「ToshI x 伊東たけし x 無良崇人が肩を寄せ合って階段上ってステージの裏へいく」ときの情景の尊さ!あれすごいよな絶対今後見られねえぞ。ひとえに音楽にかかわってるとはいえフィールドが全然違うトッププロが横に並んでステージを後にするときのあの背中!背中!!かっこよすぎでしょ。かっこよすぎやろ!!!

もう一つ、ToshIさんがあげた、盗撮っぽいけど公認の動画ツイート

ToshIさんの煽りの後、会場からのレスポンスの厚さが大変なことになってる。もはや壁レスポンスだよ。ぬりかべが武道館を平行にならんで襲い掛かってくるような状態だよ。 転がす系モニタースピーカーとかたぶんあまり使ってないようで、ドラムとソリストの返しぐらいしかろくに録音してるデバイスに入らないなってことが分かった後、コールアンドレスポンスで降りかかる「壁」。なんなんだこれ。こんなんプロ目指したくなっちゃうだろ、ドームで演奏したくなっちゃうだろ…!いやさいたまソニックシティホールで演奏したことはあるけどさ、コンクールである以上こうはならんかったよ。なんだこれ!なんだこれ!!たった30秒の動画なのに「白熱」を余すことなく伝えてくれる動画。最高かよ…


これだけ一流をそろえるには並々ならぬ労力があったろうとは思うのだけど、ゲームのアップデートだけじゃなくて、方々のリアルイベントにしっかりとディレクションをしてくれる艦これ運営はすごい。まあ言うて人間なのでいろいろやらかしやら突っ込みたくなることってのはあるわけだけどいろんな方向とコラボして、それをきっちりと成功させる艦これ運営はすごい。そのバランス感覚の秘訣を、何卒、何卒教えて下さい。

どうしても普段色々なものに耐えつつ生活をしていると、各方面のしょっぱい出来事に対して苦言を言いたくなってしまうことがたくさんあって、艦これ運営に対してもそういった言動をすることが度々あったけど、今回のライブを設けてくれて、ただただ感謝しかないです。ほんとぶれやすくて申し訳ないんだけど、今回のライブは「値千金」。どうかこれからも末永く、面白いイベントを作っていただけたらと思います。

そういったわけで推敲もせずウィスキーの力を借りて勢いで書いた後段作戦文章でした。書いてすっきりした。今年もがんばろ。